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はてなダイアリー移行分

「失くした記憶の物語」ガブリエル・ゼヴィン

なかなか時間が取れなくて、ようやく読了しました。翻訳もの読む事自体が超久しぶりで、最初は独特の文体になかなか慣れなくてー。でも後半は一気に引き込まれちゃった。しゃばけの時なんかもそうだったんだけど、配役はわかってるから、頭の中に絵が浮かぶ浮かぶ。本買う前に書評をちょっと見てみた限りだと、あまり期待できないかな?と思ってたんですが、私はこれ、好きです。確かにストーリーはありがちなんだけども、文体とかディテールが好みな感じっていうか。いかにもミニシアター系が似合いそうなお話で、演出次第で素敵な作品になりそうだなーという期待がむくむくと。以下ばっちりネタバレ含みます。
 
16歳のナオミは、学校の階段から落ちて4年間の記憶を失ってしまいます。この小説は「過去のわたし」「現在のわたし」「未来のわたし」という三章に分かれていて、ナオミを巡る3人の男の子達が登場します。記憶を失う前に付き合っていた、テニス選手で単細胞っぽいエースと、階段から落ちた時に最初に出会ったハンサムなジェームズ、そしてフォトブック編集委員の相棒であり、親友のウィル。「現在」というのはつまり、記憶を失っていた期間の事で、精神的に不安定なナオミは、BFだったはずのエースの魅力が全くわからなくなり、陰のあるワケありのジェームズに惹かれて、どんどんのめり込んで行っちゃうのね。でもある日、突然記憶が戻ると、ナオミは本当の自分の気持ちに気付く…というわけです。

堀北・松ケンのダブル主演って記事に書いてあったけど、原作読んだ限りでは、完全にナオミが主役。エースは4番手だろうけど、2番手はジェームズ(松ケン)なのかな?出番も役的にも、むしろウィル(ゆうや)が2番手じゃない?とも思える…。正直ここまでおいしい役だとは思わなかったので、嬉しくてニヤニヤしちゃうんですけど。「桜なんとかを見て決めた」っていうのは、ちょっと怪しいかもしれないっすねwだってキャラ全然違うもん。どっちかというと、「氷点」の徹か?んー、でも確かにヒロインに片想いポジではあるんだけども、ものすごく献身的でありながら、かなり口数多くてシニカルなキャラなんだよね、ウィルは。運動バカのエースや、「昼メロに出てくるキャラみたい」なジェームズの事は、「ケッ」とか思ってて、ナオミにも「あんな奴良くないと思うね」とかズケズケ言っちゃったりして。ナオミの事好きなのはバレバレなんだけど、肝心な一言が言えずに、すれちがいで二人の仲も険悪になっちゃうっていう。

ウィルは身長170cm(ナオミと同じ)のおチビちゃんで、恐らくハンサムではなく、黒ぶちのメガネをかけていて、服のセンスは絶望的にダサい、らしいwでもいわゆる「電車男」みたいなオタクではなく、サブカル少年って感じなの(ナオミもそっち系)。何かっちゅーと、ナオミに自分で編集して焼いたCD(凝ったタイトルが付いてる)をプレゼントしてくれて、その内容について、「どう?この曲の繋ぎ最高だろ?」なんて熱く語りあったりするわけ。もう、超ツボなんですけどこういうの!ウィルとナオミは学校のフォトブック(卒業アルバムみたいなもの?毎年発行するらしい)の編集に全力を注いでて、文化系同士でとにかく趣味が合うんだな。でもナオミはエースと付き合ってるし、ジェームズにも惹かれてくしで、ウィルの事は全く男性としては見てなくて。恐らくゆうやのぷんすか顔や、せつない顔がたくさん見れると思うので、物凄く楽しみ。

舞台は日本に変えたのに、アメリカンスクールの設定にしたのは何でなんだろうね?英語のセリフにする為?確かにフォトブックとかは、日本の学校ではなじみがないけども…。一つ気になるのが、原作の中で車がかなり重要なアイテムだって事。学校に行くにも、友達の家に行くにも、どこかへ出かけて帰るにも、とにかく車が必要なのね。ストーリー上なくてはならないんだけど、日本に住んでる以上、運転は18歳じゃないとできないし…。その辺はどうアレンジするのか、気になりますねえ。ゆうやの運転見たいんだけどなあ!あと意外と男の子達がセックスに慎重だったりとか、親がすごく厳しいとか、学校でのグループの階層がきっちりしてるとか、日本人が見てちょっとピンと来ないとこもあるかもしれないなーというのもあり。この辺はハリウッド映画だからいいのかなw

ま、何にせよくくりとしては恋愛モノですから!堀北さんて今までラブシーンとかやってたっけ?エースともジェームズとも、結構何回もそういうシーンがあるんだけど、大丈夫なのかしら。そしてウィルは…うふふふふふふ(キモ)。ここは物語の中でかなり重要なポイントだと思うので、カットはされないと思う!ちょっと願望入ってるけどw絶対せつなくて綺麗だと思うの。まあそこだけじゃなくて、楽しみなシーンはたくさんあるんだけどね。あー早く見たい見たい見たいよー。